おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『アリータ:バトル・エンジェル (2018)』【80/100点: どこからどこまでがCGか分からない映画】

木城ゆきとによるサイバーパンク風のアクションコミック『銃夢』のハリウッド映画化作品。

元は『タイタニック』が大ヒットした直後のジェームズ・キャメロン監督が制作に乗り出していた経緯もあり、実際にワタクシが高校くらいの時点で「『タイタニック』のキャメロン監督が『Battle Angel (銃夢)』と宇宙を舞台にしたSFアクションを同時制作か?」という、エイプリルフールみたいなニュース*1が堂々と出ていた記憶があるので、『銃夢』の映画化自体、結構肝入りの企画だったようです。

【ネタバレなし】

*1:確か映画秘宝のニュースだったかと。当然ながら、“宇宙を舞台にしたSFアクション”が後の『アバター』だったりもします。

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『ネクスト・ゴール・ウィンズ (2023)』【65/100点: 悪くはないけどふざけすぎ】

日韓ワールドカップの際のオセアニア地区予選で「0対31」という衝撃の点差を叩き出して、FIFA公式の不名誉記録として残るアメリカ領サモアの代表チームが再起を目指すスポーツコメディ。

誰も悪い人が登場しない美談である反面、監督の地のコメディ気質が色濃く出てしまったのか、不必要に思えるギャグシーンがやたらと多く、「長々真面目に話聞いてみたら結論どうでも良い話だった」的な後味を感じてしまいました。

【ネタバレなし】

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『落下の解剖学 (2023)』【85/100点:色んなコミュニケーションの不和】

雪山のコテージから男性が転落死をした事件が発端になり、起訴されたベストセラー作家の妻サンドラの素性、それと家族不和がなどが裁判の経過過程で暴かれていき、サンドラの盲目の子供などの証言を経て、「果たしてサンドラは夫を殺したのか、殺してないのか」という疑念に対して弁護士と検察が紛糾するミステリードラマ。

カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞した映画で、ワタクシ国際映画祭獲ったような意識高い系の映画って基本的にあんまり得意じゃないんですが、本作はゴリゴリのミステリーだったので楽しめました。

【ネタバレ若干あり】

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『テルマ&ルイーズ (1991)』【85/100点:男性社会からの逃亡】

この間から新宿でリバイバル上映されていたので久々に観たんですが、やっぱり面白いロードムービー。ドストレートな「男性社会からの逃亡」という、もろフェミニズムなテーマで突き進む展開は秀逸そのもので、ラストシーンの見事な爽快さは、ワタクシのこれまでの映画鑑賞歴の中でもかなり上位に好きなオチだったりします。

今では絶対にやらないであろう清々しいくらいのクズを演じるブラッド・ピットも強烈で、今観ても全く遜色のない映画だと思います。

【ネタバレ若干あり】

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『ボーはおそれている (2023)』【80/100点:ハリウッド版追手内洋一こと”ボー”】

鬱スリラーの傑作『ミッドサマー』のアリ・アスター監督と、鬱アメコミ映画の傑作『ジョーカー』のホアキンフェニックスが組んだ、マザコン神経症の主人公が、変死をしたという母親の葬儀に向かう為に数多の苦難を乗り越えて旅をする不条理スリラー。

主人公のボーが『とっても!ラッキーマン』の主人公・追手内洋一並みに地獄のようについてない設定なので、個人的には結構楽しめました。あまりにも内容がエッジ―で暴力的な内容だからか、映画館で左隣に座ってたサブカル系っぽいのお姉ちゃんが中盤くらいで途中退館していたのを目撃しましたが。

あと終盤辺りに出てくる巨大なオチン…(略

【若干ネタバレあり】

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