おすぎむら昆の映画レビュー「あんなま」

鑑賞した映画に対して個人的な感想を書いていきます。

『国宝 (2025)』【90/100点: 歌舞伎役者の「才能」と「血」とは】

任侠の家系に生まれ、色々経緯あって渡辺謙演じる花井一座と生活することになり、一流の女形歌舞伎役者として頭角を表すことになる青年・立花喜久雄の役者人生50年を追った人間ドラマ。

主演は年明けに色々あった吉沢亮ですが、別に茶化してるワケでもなんでもなく、誰がどう見ても大熱演をしています。ライバル役はこちらも若手俳優筆頭の横浜流星。「才能」か「血」、2人の対照的な青年を通して、歌舞伎という伝統芸能の数百年を辿る物語が描かれます。先に書いておきます。

傑作です。

≪ネタバレなし≫

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『ハボック (2025)』【70/100点: 映像もストーリーも全部“ハボック”】

トム・ハーディが主演し、『ザ・レイド』シリーズのギャレス・エヴァンスが手掛けたネトフリオリジナルのバイオレンス・アクション。

現代の「ハボック (Havoc)」は暴動とか大混乱を指す英単語で、そのタイトル通り、人間関係も入り乱れた大混乱の様相の中、『ザ・レイド』譲りのゴア感強め、人が撃たれれば吹っ飛ぶというウォルター・ヒル作品のような大袈裟なアクションシーンが面白い映画になっています。まあ、ストーリー自体も大混乱の状態になっているのは、あんまり褒められませんけど。

【ネタバレなし】

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『サブスタンス (2024)』【85/100点: 老化の恐怖と承認欲求を拗らせてモンスターに!】

かつての大スター女優が違法の再生医療に手を出して精神が崩壊していく様を描いた、昔のデヴィッド・クローネンバーグ監督っぽいSFボディホラー。精神だけでなく身体の様相まで変容していくエリザベスを演じるのは『ゴースト/ニューヨークの幻』など、実際に“かつての大スター女優”の1人であるデミ・ムーア

ブラット・パック出身の仲間であるトム・クルーズの『ミッション:インポッシブル』最新作と同時期に公開*1ということで、トムは「動き」、デミ・ムーアは「美」という、昨今の60代による超人的アンチエイジングを見せつけられ、非常に感慨深かったです。まあ、こっちもあっちも内容はブッ飛んでましたが。

【ネタバレなし】

*1:ちなみに日本だけ。海外では今年の1月までにほとんどの国で公開されている。

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『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング (2025)』【80/100点: ますます脳汁ドバドバ、よりパンクになったトム・クルーズ】

トム・クルーズ主演映画として約30年に渡り続いているスパイアクションシリーズの続編。前作『デッドレコニング』に引き続き、ロシアの潜水艦セヴァストポリに搭載されていたAI“エンティティ*1”が引き起こした軍事的な大反乱とそれを利用しようとするヴィランに対して、トム演じるスーパースパイのイーサン・ハントが立ち向かうというお話。「それもうターミネーターの世界観じゃん」というツッコミはしてはいけませんよ。

尚、ワタクシは池袋グランドシネマサンシャインIMAXシアターで鑑賞したんですが、IMAXで鑑賞すると、本編前にトム本人による特別メッセージが観れるというサービス付きだったりします。実際、トムが言うように完全にラージフォーマット対応の映画なので、ワタクシもIMAXで観た方が良いと思います。

【若干ネタバレあり】

*1:戸田奈津子女史の訳では、冒頭以外は頑なに「それ」と呼称されている!分かりづらい!

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『異端者の家 (2024)』【85/100点: 宗教論破サスペンススリラー】

キリスト教プロテスタント一派である末日聖徒イエス・キリスト協会、いわゆるモルモン教のシスター2人が、頭脳明晰で笑顔が怖いオジサン(演じるのはヒュー・グラント!)が住む迷路のような家から脱出を図ろうとするサスペンス・スリラー。

≪ネタバレなし≫

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