おすぎむら昆の映画レビュー「あんなま」

鑑賞した映画に対して個人的な感想を書いていきます。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ (2025)』【90/100点: 圧巻の映像とシンプルな話】

3D映画を世に普及させた金字塔『アバター』シリーズ3作目。惑星パンドラを舞台に主人公ジェイクとその家族の姿が描かれるワケですが、前作『ウェイ・オブ・ザ・ウォーター』に引き続き映像は極上で凄まじいクオリティになっており、HFRのおかげでCGと実写映像の繋ぎ目がもはや分からないという今世最高のビジュアルになっています。

あれ、ストーリーが前作とほぼ一緒じゃない?」とふと過ぎるくらい似たような展開をする内容ですが、体感度や没入感は前作よりもさらに増している印象です。

≪ネタバレなし≫

お話

パンドラの先住民ナヴィの生き方に共感し、自らもナヴィとなって彼らとともに生きる道を選んだジェイク・サリー。人類の侵略によって神聖な森を追われたジェイクと家族、仲間たちは、海の部族メトカイナ族と共闘し、多くの犠牲を払いながらも人類を退けることに成功した。しかし、そんなジェイクたちが、今度は灰の部族アッシュ族と対峙することになる。アッシュ族は過去に、パンドラの調和を司る神のような存在である「エイワ」に何らかの裏切りを受け、絶望していた。静かに、しかし激しく怒りを燃やすアッシュ族のリーダー、ヴァランに、ジェイクの因縁の敵であり、自らもナヴィとなったクオリッチ大佐が近づく。両者が手を組むことで、ジェイクたちサリー一家を追い詰めていく。(映画.comより)

一緒やないかい!

話としては、前作の終盤で亡くなってしまったジェイクの長男ネテヤムの弔い場面で始まり、意識的に散り散りになってしまった家族の再生が描かれます。そんか中で現れるのが、シリーズで初めて“悪いナヴィ”として登場する蛮族“アッシュ”の集団たち。シリーズを通し、ジェイクを血眼になって追うクオリッチ大佐を通して人間とも手を組み始めるアッシュ族と善のナヴィたちとの闘いが描かれます。

相変わらずストーリーはかなり王道且つ薄口になっており、人間側とパンドラの原住民ナヴィは引き続き対立関係で、これまで何度かボロ負けを期しているはずなのに今回もパンドラへの移住計画を進める人間たちによるトラブルに巻き込まれます。ジェイクの家族関係だったり細かい部分は当然違いますが、大枠の展開に関しては正直、前作『ウェイ・オブ・ザ・ウォーター』とほとんど一緒です。金太郎飴のようです。

相も変わらず映像は極上の出来

ストーリーはさておき、映像の極上ぶりは圧巻で、前作でも水を中心として技術の進化を体感させてくれましたが、今回は水と火を印象的に使ってパンドラの世界観を広げてくれるような映画になっています。話の展開として、ナヴィとして生きる人間で、ジェイクの養子でもありクオリッチの息子(ややこしい!)スパイダーが中心に来ていることもあってか神秘的な映像がこれまでよりも多くなっており、ビジュアル的な面白さは間違いなくシリーズで一番です。

シリーズの創始者であるジェームズ・キャメロンは続編の4・5も製作したい意向があるとのことですが、これ以上話を広げる視点てあるのか、というのは良くも悪くもシンプルに気になる点ではあります。映画への没入感は唯一無二とも言える映画なので、その点では本作は大成功である一作でしょう。