おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『デイズ・オブ・サンダー (1990)』【75/100点: サーキットのトップガン】

トップガン』とほぼ同じスタッフで製作されたストックカーレースが題材の青春映画。『トップガン』を観てから本作を観ると、展開のあまりの同じっぷりに面を喰らうこと間違いないですが、ワタクシ的には良いアップデート版の映画と捉えています。

まあ、公開当時の評価は「いや『トップガン』の焼き直しやんけ」と散々だったらしいですけど。そりゃそうなりますよ。

【ネタバレなし】

お話

ストックカー・レースに賭ける青年の姿を、迫力のレースシーンを盛り込んで描く青春ロマン。天性の才能を持つ青年コールはレースカーのビルダーとして名を博したハリーの教えを受け、そのドライブテクニックを磨いていく。

悪童ぶりも徐々にエスカレートする一方、クラッシュ事故に巻き込まれてしまうコール。やがて彼は女医クレアとの出会い、そしてライバルとの争いを経て、デイトナ・レース挑戦の決意を固める……。(映画.comより)

キャストと題材が違う以外はほぼ『トップガン

ストーリーはまあ…“天才的なカーレースドライバーが、恋と挫折など紆余曲折経て大人になっていく”と、導入部からして『トップガン』とほとんど一緒。勿論、主役はトム・クルーズ。ヒロインは、本作がキッカケで後にトムと結婚するニコール・キッドマン

脇役に関しては、『ゴッドファーザー』のロバート・デュヴァル、『GOTG』シリーズのマイケル・ルーカーと、当時の若者俳優総出演だった『トップガン』と比べるとムサいオッサンばっかりなんですが、揃いも揃って演技派ばっかりなので安定感もあります。

カーレース場面と音楽がめちゃカッコイイ

それで本作のカーレースシーンに関してですが、数十台のカメラで撮影されたという映像がとんでもない迫力なのです。ド迫力映像に全振りで取ってつけたストーリーはまんま『トップガン』フォーマットなんですが、映像的な面白さならおそらく本作に軍配が上がるでしょう。

加えて、名映画音楽家ハンス・ジマーがサントラを手掛けていることもあって、鳥肌が立つほどBGMがカッコいいです。サントラにはギタリストのジェフ・ベックも参加しているんですが、鳴きまくってるギターのギュイーン音がめちゃくちゃカッコよく、とにかく終始テンションを上げてくれます。

キャラに魅力がないのがマイナス

惜しむらしくは、今回のレビューもそうですが『トップガン』の影がばっちりチラつき回ってるので、ストーリー構成で『トップガン』との明確な違いを出せればきっと成功していただろうと思うと、些か残念な部分です。
また、『トップガン』のアイスマン(ヴァル・キルマー)ほど魅力的なライバルキャラ(ツンデレキャラ)もいないので、レースシーン以外はまあまあ平坦な印象です。

とはいえ、本作のおかげで、トム自身の出演作へのプロデュースに目を向かせるキッカケになったと言われてるだけに、トム・クルーズのフィルモグラフィ上、実は重要な映画だったりもします。*1

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感想(0件)

*1:つまり、本作が無ければ『ミッション:インポッシブル』も無かった、ということになりますね。