おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『デッドプール&ウルヴァリン (2024)』【90/100点: 近年随一のアメコミアクション映画】

マーベルコミックスの異端児デッドプールと、X-MENの実質的主人公であるウルヴァリンがまさかのタッグを組んだMCU最新作。MCUの作品が多すぎて、個人的にもはや追わなくなってしまったのですが、デップーシリーズだけは一応全部観ているので今回鑑賞。いやあ~面白い。

立て板に水で喋り散らすデッドプールに悪態をつきまくるウルヴァリンのコンビが絶妙で、本作でネタとして散りばめられているのもMCUネタはどっちかというと少なめで、20世紀フォックス時代(要は00年代のマーベル)のヒーロー映画への愛が詰まっておりこの点も非常に良かったです。「MCUも良いけど、その前のアメコミ映画たちも忘れてやんなよ」って感じのライアン・レイノルズ(脚本兼任)の声が聞こえてくるかのようでした。

【ネタバレなし】

お話

不治の病の治療のために受けた人体実験で、自らの容姿と引き換えに不死身の肉体を手に入れた元傭兵のウェイド・ウィルソンは、日本刀と拳銃を武器に過激でアクロバティックな戦闘スタイルのデッドプールとして戦いを続けてきた。戦う理由はあくまで超個人的なものだったが、そんな彼が世界の命運をかけた壮大なミッションに挑むことになってしまう。この予測不可能なミッションを成功させるため、デッドプールウルヴァリンに助けを求める。獣のような闘争本能と人間としての優しい心の間で葛藤しながらも、すべてを切り裂く鋼鉄の爪を武器に戦ってきたウルヴァリンは、とある理由で、いまは戦いから遠ざかっていたが……。(映画.comより)

引き続き暴走するデップー

本作の冒頭ではデッドプールことウェイド・ウィルソンはヒーロー業を辞めてしまっており、中古車販売のお仕事でダラダラ過ごしています。そんなある日、MCU世界のマルチバースを管理するTVAが現れ、デッドプールが過ごしている世界を消し去る計画を聞かされるも、「死んだウルヴァリンの代わりをマルチバースで見つけてくるならば」と折衷案を持ちかけられ、「そりゃ簡単だ!」とそのままデップーは逃亡しウルヴァリンを探す旅に出ます。

再登場!ウルヴァリン

そういえばウルヴァリンは『LOGAN/ローガン』のラストにて壮絶な死を繰り広げ、演じるヒュー・ジャックマンの口からも「もうウルヴァリンとはお別れだ」との弁があったような気がするのですが、最近興行も評判も芳しくないMCUシリーズの助け舟的なお願いもあったのか復活。案の定、マルチバースネタを使った復活であったものの、デッドプールの一遍だけあって「マルチバースってもう辞めない?」というデップーの声など、それそのものをネタにしてしまっています。

小ネタとコメディの嵐

前作『デッドプール2』にもあった嵐のようなカメオ出演は本作でも受け継がれており、ウェズリー・スナイプス演じるブレイドが出てきた時にはワタクシはもう大興奮でしたね。カメオネタ自体も「多少アメコミ映画知ってれば」程度のネタばっかりで、この点は全部知らなくても何となく楽しめる部分だと思います。また、お笑い場面も相当に力が入っており、誇張抜きで2~3分に一回は爆笑出来る場面がくるので、コメディ映画としても秀逸です。

バトル場面も抜かりなく盛り沢山になっており、前述のコメディ場面とハードなアクション場面が良い塩梅で来るので、息抜きする時間もありません。体感時間がこんなに短い映画、ワタクシ久々かもしれません。小ネタももの凄く多いので、「また観たいな~」って欲が自然に湧くすごい構成になっているのです。

名コンビすぎる2人

ウルヴァリンも相変わらずカッコよく、動がデッドプールなら静がウルヴァリンなワケで、演じているライアン・レイノルズヒュー・ジャックマンが仲良しなこともあってなのかどう見ても息はピッタリ。故にバディ映画としても非常に見応えがある映画になっています。

今年公開された映画の中でも突き抜けて面白い内容になっているのは間違いなく、ワタクシのようなアメコミにわかでも楽しめる良い作品になっています。膨大なギャグに、テンポの良い展開、見応えのあるアクションシーンと、昨今のアメコミ映画に欲しかったモノが本作にはありました。冒頭にノリノリでイン・シンクの「bye bye bye」を踊るデッドプールから心捕まれること間違いないです。

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