誰もがとりあえず名前は聞いたことがあるであろう、“キング・オブ・ロック”ことエルヴィス・プレスリーの伝記映画。
エルヴィス役はタランティーノの『ワンハリ』のラストでプラピに「変な名前だなオメエ」と凄まれた挙句、ポ●チンを犬に食われる哀れなマンソン・ファミリーのテックス役をやってたオースティン・バトラー。
【ネタバレなし】
お話
腰を小刻みに揺らし、つま先立ちする独特でセクシーなダンスを交えたパフォーマンスでロックを熱唱するエルビスの姿に、女性客を中心とした若者たちは興奮し、小さなライブハウスから始まった熱狂はたちまち全米に広がっていった。しかし、瞬く間にスターとなった一方で、保守的な価値観しか受け入れられなかった時代に、ブラックカルチャーを取り入れたパフォーマンスは世間から非難を浴びてしまう。
やがて故郷メンフィスのラスウッド・パークスタジアムでライブを行うことになったエルビスだったが、会場は警察に監視され、強欲なマネージャーのトム・パーカーは、逮捕を恐れてエルビスらしいパフォーマンスを阻止しようとする。それでも自分の心に素直に従ったエルビスのライブはさらなる熱狂を生み、語り継がれるライブのひとつとなるが……。(映画.comより)
「エルヴィスは当然知ってますよね?」が前提
ぶっちゃけ、オースティン・バトラーってエルヴィス本人に全然似てないんですが、映画が進むにつれて「エルヴィスかっけーな」ってなってくるのはちょっと面白かったです。ちなみに助演で、本作の所謂狂言回しとなるパーカー“大佐”役はトム・ハンクス。珍しくイジワル親父を熱演しております。
とまあ、配役は見事だったと思うんですが、本作は基本的に「君はもちろんエルヴィス・プレスリーって知ってるよな?」って雰囲気がプンプンで話が進行する為、そこまでエルヴィスを知らない僕は追いかけるのが必死でした。加えて、作品内の時間軸は、正味約160分の中で行ったり来たりで、尚且つ演出もかなりエッジーです。正直すごく疲れました。前述の通り、ランタイムも長いですからね。
映像のエッジがすごい
演出がスタイリッシュ過ぎると作品の深味が薄れる、って実話映画あるあるだとワタクシは思ってるんですが、本作はまさにソレです。エピソード的に面白い場面はいくつかあるものの、キメキメの演出がすごい邪魔してるような気もします。とはいえ、それがバズ・ラーマン監督の特徴であるとは思いますが、伝記映画で同じ路線なのはだいぶシブいです。
ちょっと厳しめなこと書いちゃいましたが、溢れんばかりのエルヴィス・プレスリー愛に満ちた映画です。兎も角、俳優陣の見事な演技は必見だと思います。エルヴィスの奥さん役の人、めちゃくちゃ可愛かったですし。
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