名作『ジュラシック・パーク』と世界観を共有した続編シリーズ3部作の最終章。クリス・プラットとブライス・ダラス・ハワードなどお馴染みキャストは勿論のこと、初代キャスト陣3人が集まるという贅沢な展開もあり、割と見応えがありました。
【ネタバレなし】
お話
ジュラシック・ワールドのあった島、イスラ・ヌブラルが噴火で壊滅し、救出された恐竜たちが世界中へ解き放たれて4年。人類はいまだ恐竜との安全な共存の道を見いだせずにいる。恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女、メイジーを守りながら、人里離れた山小屋で暮らしていた。
そんなある日、オーウェンは子どもをつれたブルーと再会。しかし、その子どもが何者かによって誘拐されてしまい、オーウェンはクレアとともに救出に向かう。一方、ある目的で恐竜の研究をしている巨大バイオテクノロジー企業のバイオシンを追っていたサトラー博士のもとには、グラント博士が駆け付け、彼らはマルコム博士にも協力を求める。
これまでの『~ワールド』シリーズは足枷があった
実はワタクシ、この続編シリーズの1作目『ジュラシック・ワールド』と『〜炎の王国』は、「まあこんなモンよね」というような薄口の印象でした。これ一応、個人的には理由があって、作品内のテーマパーク“ジュラシック・ワールド”の存在あり気の展開がすごく鼻についたからで、要は「ほとんど『ジュラシック・パーク』と同じ展開じゃないか!」と思ってしまった為です。
王道故の展開進行の難しさを感じた1作目と2作目に対して、本作は“ジュラシック・ワールド”というタイトルに相応しい、現代に復活した恐竜たちと人間社会の共存を目指す世界が舞台。もはや恐竜テーマパークは関係ないのです。これは斬新で胸熱な設定でしたね。
やや説教臭い内容になった
全シリーズ作品の一貫したテーマである「テクノロジーへの過信で起こるトラブル」が、本作では過去作と比べてもかなり強調されていて、シンプルなエンタメ作品だった過去作と比べても幾分か説教クサい内容になっています。あ、良い意味で、ですよ。
そんな中で、恐竜復活で活用した遺伝子操作技術で世界にバイオハザードを発生させようとするドジスン*1というインチキ慈善家に立ち向かう為、お馴染みメンバーが立ち上がるってワケです。まさかの007シリーズみたいな展開で笑ってしまいました。
オリジナルの3人が!
このハードな設定の中で、初代の主人公3人であるアランとエリーとマルコムが同じフレームに収まって再登場となります。こういう後日譚シリーズでありがちな、色々トラウマ抱えて世捨て人なっちゃった、みたいな無理矢理な設定もありません。これが良かったですね。
なので、長年の付き合い(?)であるワタクシからしてみれば「相変わらずだなあ」って感じで、思い入れが強い分もあってか、本当にジーンってきました。それこそ、「『ジュラシック・ワールド』でこれを観たかったんだ!」的な。
ちょっと残念だったのは、お馴染みのジョン・ウィリアムズ作曲の「ジュラシック・パークのテーマ」がほとんど流れなかったこと。せめてエンドクレジットぐらいは、余韻に浸るついでにあの曲を聴きたかったです。
とはいえ、ワタクシ的には続編シリーズの中でも一番面白かったと思います。“最終章”と位置づけられているので、もう続編は無い可能性が高いですが、どうせならもう一作作っても良いんじゃないかな、なんて思う映画でした。まあ、それは望み薄か。
*1:ちなみに、この「ドジスン」という人物、初代『ジュラシック・パーク』のOPにネドリーと一緒にちょこっと登場した、ジュラシック・パーク事件の直接的な元凶となった割と重要なキャラ。大人の事情で俳優は変わってますが。