この映画、若者向け映画としてなら80’sで最も有名な青春映画でしょう。加えて稀代の大スター、トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた映画となるワケですね。
ストーリーに関して言えば、“天才的な戦闘機パイロットが、恋と挫折など紆余曲折経て大人になっていく”とシンプルな内容で、例えば有名の台詞「やろうぜ!勝負はこれからだ!」など、聞く人によっては「おぉ…」と悪寒が走りそうなキザな台詞ばかりです。
【ネタバレなし】
お話
アメリカ海軍が設立したエリートパイロット養成所「トップガン」にやってきたマーベリックやグースをはじめとするトップクラスの男たちは、実戦さながらの厳しい訓練に明け暮れる。女性教官チャーリーとの恋やライバルのアイスマンとの激突、そして訓練中の事故によるグースの死を経て、成長していくマーベリックは、やがて敵ミグ戦闘機との実戦に出撃する。(映画.comより)
トニー・スコットの映像美
良くも悪くも少年漫画的なお話で、ヒット作における“売れる要素”を特盛の如く詰め込んだ映画となりますが、ここまで愛される映画となっているのは、ひとえに映像面での見事さでしょう。
本作の監督は、本作がキッカケでアクション映画監督として名を馳せることになるトニー・スコットなんですが、兄の映像派映画の巨匠リドリー・スコット監督譲りのスタイリッシュな映像構成がまず目を引きます。
とりわけ凄いのがOPなんですが…もう、戦闘機が異常にカッコいいんです。逆光の軍艦に飛び交う戦闘機と、「これ以上の戦闘機のプロモーション映像あるんかいな」ってくらいの場面になっているワケで、ツカミばっちりといったところです。ちなみに、本作後に公開されたパロディ映画『ホット・ショット』では、この見事なOPが緻密に再現されています。必見。
とにかく戦闘機がカッコイイ
戦闘機による空中戦のシーンも、米海軍全面協力という体制で製作されただけあって、右に左、上に下にと大迫力の映像になっております。ワタクシ、本作は結構な回数観ているのですが、すべてテレビ画面での鑑賞。きっと映画館で観たらすんごいことになるんでしょうね。
本作のおかげで海軍入隊希望者が激増した、なんて逸話も残っているくらいなので、その点でも本作の求心力が優れていたのは言うまでもありません。
ストーリーはホントに凡作
とはいえ、前述の通りストーリーがまあまあ凡そのものなので、渋めの映画が好きな人にはお門違いな映画とも言えます。ただ、若くてプリプリなトム・クルーズ、魅力的なライバルキャラ(ツンデレ)であるアイスマンを演じるヴァル・キルマーなど、褒めたくなる部分も勿論ございます。『トップガン マーヴェリック』の製作に当たって、トムが「新作にはアイスマンを絶対出すぞ」と固辞した、なんて話がありますが、トムのその気持ちが理解できるナイスガイなツンデレキャラです。
結論としては「ヒマ潰しにちょうど良い映画」以外の何者でもなく、辛気臭い展開も一切無いので、何となく観る分には充分な映画。とにかく、本作の戦闘機アクションは一見の価値あり、ということです。
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