おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『トップガン マーヴェリック (2022)』【90/100点: オイラが観たかった『トップガン』】

よくよく考えてみたら“大佐が前線に出て激闘”、という『コマンドー』並みにめちゃくちゃバ●な内容の映画なんですが、すげえ面白かったです。

【ネタバレなし】

お話

アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリックが教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。

その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが……。(映画.comより)

新旧俳優集合!

主演は勿論トム・クルーズ、ヒロインは“アメリカの石田ゆり子”こと、アラフィフなのにいつまでも美しいジェニファー・コネリー。前作で死んだグースの息子ルースター役は『セッション』のマイルズ・テラー

また、主人公マーヴェリックを航空訓練学校(トップガン)に引き戻す、前作のライバルキャラ“アイスマン”をヴァル・キルマーが続投しています。実はヴァル、咽頭ガンの手術でほぼ声を失っているのですが、本作ではその事実が役柄に活かされており、これがまた泣かせてくれます。『ヒート』が大好きなワタクシとしては、ヴァル登場はもう感涙モノの名シーンでございました。

映画館だと映像の迫力が段違い

元々、2020年初期公開予定の映画でしたが、コロナ禍による度重なる延期もあり、まさかの2年も塩漬け。そのおかげなのか、良くも悪くもポスプロに時間もかけられたと思われ、超絶良い感じに仕上がってます。何と言っても、映像がとんでもないことになってます。

海軍全面協力で戦闘機を実際に飛ばして撮影というやり方は前作と同じですが、映画史上初の試みとして“戦闘機に実際に俳優を乗せて演技”という、常軌を逸してる撮影がされています。これがものすごい。しかも、わざわざ撮影用カメラを戦闘機の中に設置して撮影されている為、奥行きがとんでもないことに。

観る人によっては吐き気を催しそうな映像が連発するので、戦闘機の縦横無尽な動きも相まって、観ている間の冷や汗が凄かったです。勿論、良い意味で。

本当は「トム・クルーズ自身が戦闘機を操縦」というのが本気で検討されていたらしいですが、海軍の皆さんから「それはさすがにガチで危ない」ってことでNGを食らったそうです。いかにもトム・クルーズの映画らしいエピソードですね笑

www.cinematoday.jp

ちょっとバカだけど入ってくるストーリー

ストーリー自体も、前述の通りベース設定はちょい●カなものの、脚本チームが秀才揃いなので、マーヴェリックとルースターの関係など、飽きない展開が連続で素直に面白かったです。前のレビューの通り、前作『トップガン』は、全体的にストーリーが結構弱いのが残念な部分だったのですが、その点も本作では補強されている印象です。

ただ、当時アラ還トムのセクシーシーンがいくつかあるのは、「さすがに歳考えた方がええんちゃいます?」と、個人的にちょっと笑ってしまいましたが。

トニー・スコットへの別れのメッセージが泣ける

まさに「オイラが観たかった『トップガン』」といったところの映画になっており、国籍は違いますが、ワタクシも海軍に入隊したくなってしまうようなカッコいい映画でした。本気で「トム、最高の映画をありがとう!」と乙女のような顔になってしまう一作でございます。最後の最後に出てくる前作の監督、故トニー・スコットへのメッセージも号泣モノ!*1

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感想(6件)

*1:ちなみに、映画エンドクレジットの途中で「In memory of TONY SCOTT(トニー・スコットの思い出と共に)」と英字テロップと共に、「トニー・スコットに哀悼の意を捧げます」と戸田奈津子女史による結構大袈裟な日本語字幕が出るのですが、おそらくこれは散々トム・クルーズ作品を和訳してる部分に加えて前作『トップガン』の字幕を担当した経緯のある戸田奈津子自身の言葉かと思います。度々、超意訳が叩かれる戸田奈津子女史ですが、この訳し方は愛があってとても良かったと個人的に思います。