おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『シティーハンター (2024)』【85/100点: 原作愛に溢れた秀作アクションコメディ】

1回目の特報以来から「これはとんでもない傑作のニオイがするぞ」という、ワタクシの直感が働き始め、観てみたらやっぱり良い映画でした。

憑依型の役作りに定評のある鈴木亮平が、アニメ版の神谷明のヘエヘエ感のあるスケベボイスとクールでキザという著しく二面的なアクションヒーローを完璧に演じており、撮影許可が難しいことで知られる歌舞伎町での大規模ロケーションの凄さ、ジョン・ウー感があるバリバリに決まったガンアクションシーン、やっぱり流れるゲワイなど、かなり見どころが多い映画になっています。

【ネタバレなし】

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『ARGYLLE/アーガイル (2024)』【75/100点: ポッチャリウーマンの奮闘】

ヘンリー・カヴィルブライス・ダラス・ハワードのダブル主演による、Apple Originalのスパイアクションコメディ映画。厳密に言うと、ブライス演じるエリーがメインパーソンの映画で、スパイ小説で有名になった女性作家が本物のスパイの諜報戦・肉弾戦に巻き込まれる、というのが基本プロット。

スパイ同士のバトルにオバチャン作家が何故か巻き込まれるが、実はこのオバチャン作家にも秘密があって…という、ハード系ウーマンアクション映画の傑作である『ロング・キス・グッドナイト』みたいな内容になっています。

【ネタバレなし】

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『アウトレイジ 最終章 (2017)』【75/100点: 死ぬつもりで日本に帰る大友】

人気ヤクザシリーズの第3弾であり、タイトルの通り最終章。疲れ切った元暴れん坊、大友親分がようやく我に返る、辞世の句的な一作です。

【ネタバレあり】

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『アウトレイジ ビヨンド (2012)』【85/100点: バディになった敵同士】

人気ヤクザシリーズの第2弾。前作から5年後の山王会とその周辺による関東ヤクザの様が描かれており、今回は関東だけでなく関西の花菱会も登場し、抗争のスケールもパワーアップした、ある意味続編としては真っ当な構成となっています。

前作もなかなかの傑作でしたが、点数を5点アップしたのはひとえに魅力あるキャラクターの登場が増えたことでしょう。

【ネタバレあり】

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『アウトレイジ (2010)』【80/100点: 絶対に怒らせちゃいけないを怒らせると…】

北野武監督の後期代表作となるヤクザ映画で、2008年公開の監督作『アキレスと亀』までの内省的で多くを語らない無骨な作風とは打って変わって、怒号・パワーゲーム・裏切りと、フラストレーションをぶちまけるかのような演出となり、北野武監督作品としては転換点となった一作でしょう。

【ネタバレあり】

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