おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『シティーハンター (2024)』【85/100点: 原作愛に溢れた秀作アクションコメディ】

1回目の特報以来から「これはとんでもない傑作のニオイがするぞ」という、ワタクシの直感が働き始め、観てみたらやっぱり良い映画でした。

憑依型の役作りに定評のある鈴木亮平が、アニメ版の神谷明のヘエヘエ感のあるスケベボイスとクールでキザという著しく二面的なアクションヒーローを完璧に演じており、撮影許可が難しいことで知られる歌舞伎町での大規模ロケーションの凄さ、ジョン・ウー感があるバリバリに決まったガンアクションシーン、やっぱり流れるゲワイなど、かなり見どころが多い映画になっています。

【ネタバレなし】

お話

現代の新宿。相棒の槇村秀幸とともに、有名コスプレイヤー・くるみの捜索という仕事を請け負った冴羽リョウ。その頃、新宿では謎の暴力事件が多発し、警視庁の敏腕刑事・野上冴子も手を焼いていた。

息の合ったコンビネーションでくるみを追うリョウと槇村だったが、突然起こった事件に巻き込まれ、槇村がこの世を去る。現場に居合わせた秀幸の妹・槇村香は、事件の真相を調べてほしいとリョウに懇願するが……。(映画.comより)

うろ覚えでも「シティーハンターじゃないか」となる

お話は漫画版と序盤とほぼ一緒で、筋肉増強効果のある麻薬“エンジェル・ダスト”により親友で相棒の槇村を演じた冴羽獠が、槇村の妹である香と共に槇村の仇を討とうとする話。厳密に言うと、原作ほど混み合った話ではないシンプルな内容になっており、オープニングの掴み10分程度で掴みバッチリって感じの纏まりになっています。

正直ワタクシ、原作読んだの10年前とかなので細かくは覚えてないんですが、とにかく原作愛に溢れているのはしかと分かるくらいにそのまんま『シティーハンター』の雰囲気になってて、まあこれがすごい。鈴木亮平の完璧な役作りのおかげで、冴羽獠が実写に現れた感じが最高なのです。香も同じく憑依型演技派女優の森田望智ちゃんの為、こちらも原作から飛び出したような雰囲気になっています。基本的にワタクシ、あまり原作史上主義の人間ではないんですが、それでもこんだけ完璧に役を仕上げてくれると見応えを感じざるを得ないでしょう。

コメディ場面もアクション場面も良い

シティーハンター』といえばハードなアクションにお色気って感じではありますが、アクションはそれこそかなりハードだし、お色気は時代に沿う流れでそれなりに攻めてるって感じ。本作の為に実銃訓練を行ったという、さすがの鈴木亮平クオリティの下準備の凄さもあってか、恐ろしいくらいの銃捌きのカッコ良さです。

銃捌きに加えて、アクションシーンもジョン・ウーの映画みたいなクールさで、邦画でも久々な気もするアクションシーンのハードもかなり見応えがあるワケです。内容がサクサク進むこともあり、適度にあるアクションが絶妙でここら辺も満足度が高め。

バディ映画としても優秀

バディ映画としても面白さも出色で、続編を思い切り匂わしてるラストもキレキレで最高です。しかもエンディングテーマはやっぱり『Get Wild』。映画館で観てもかなり満足度が高い映画になったであろう内容だったので、これは是非とも続編を製作して、この冴羽獠と香にもう一度観たいなと本気で思います。