すっかりおじいちゃんの年齢なのにマッチョ街道を邁進し続ける漢スタローンが出演した配信作品。不死身の最強ジイさんを演じるアマプラのオリジナルムービー。どうやらアメコミの原作もあるらしく、スタローンがコミック原作ヒーローを演じるのはアノ伝説の駄作『ジャッジ・ドレッド』以来です。
【ネタバレなし】
お話
母と2人で貧しい生活を送る13歳の少年サムは、かつて多くの人々を救いながらも宿敵ネメシスとの戦いの末に命を落としたヒーロー、サマリタンの大ファンだ。
ある日、ギャングに襲われていたところを近所で暮らす老人ジョーに助けられたサムは、ジョーの驚異的な力を目の当たりにし、彼の正体がサマリタンではないかと考えるように。そんな中、ネメシスを名乗る男が現れ、街を大混乱に陥れる。(映画.comより)
偽バットマン「サマリタン」
スタローンが演じるのは色々あって社会から距離を置く、スーパーパワーの超人ジョー・スミスで、近所のガキンチョのサム君をカラーギャングから(あり得ないパワーで)救ったことから、サムから「あの人、25年前に死んだヒーロー“サマリタン”だ！」と追っかけ回され始めます。
その“サマリタン”とは、本作の舞台である架空の都市グラニット・シティの治安を、覆面とゴツい衣装で見張っていた、いわゆるバットマン的なビジランテなんですが、このヒーロー“サマリタン”は、本作のオープニング時点で“ネメシス”なる双子の弟に殺されたことになっています。とはいえ、グラニット・シティの住民からしてみれば「最強のサマリタンがあのくらいで死ぬか？」と懐疑的に思われており、都市伝説的に生存が噂されてました。
ガキとジジイ
13歳のガキンチョ、サム君も街中で広がるサマリタン生存説を信じている1人で、突如現れたフィジカル最強ジイちゃんの超人ぶりに眼がキラキラになってしまう、と。ってことで、ジョー＝サマリタンなのか、というのが本作のメインストーリーになっています。まあこの通り、ビックリするくらい単純明快なおハナシです。
スタローン演じるジョーも、「色々あって陰日向に生きるマッチョ」的なキャラ設定がされているので、「それはどこのランボーですか？」と思わざるも得なかったのですが、そんな役柄もスタローンのお家芸とも言えるので、ワタクシ的には「よっ、やってるねえ」って感じでした。
もっと重々しい動きであって欲しかった
ただ、一方で『ロッキー』シリーズや『ランボー』シリーズのように、キャラクターから滲み出る哀愁もそんなにないモンですから、この点は内容よりキャラが先に出ちゃうスタローン映画特有の欠点もございます。あと、今現在の重々しい身体のスタローンが“超人”というテイに則って動きまくるのもちょっとなあ、と。スタちゃん良いのよ、アナタは重々しいまんまでもカッコいいんだから。
とはいえ、間もなく喜寿のおじいちゃんであるスタローンの最新作がアクション映画ってことで、この人は本当に衰え知らずだな、と頑張りには賞賛が止みません。さすがはみんなのヒーロー、スタローンの映画でございます。
