おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『クローズZERO (2007)』【80/100点: ちゃんと学校に行く不良高校生】

ワタクシがちょうど高校の頃に公開された、ヤンキーが大挙して登場してて大ヒットしたアクション映画で、「そんな高校生いるか」みたいな濃いクチのキャラ達に加えて、実は俳優達がヤンチャ高校生をやるにしては一回りくらい老けている為か、どう見ても10代に見えない点など、竹内力『カオルちゃん』シリーズをイケメン俳優達でやった感もある結構カオスな映画になっています。

【ネタバレなし】

お話

幾つもの派閥が勢力争いを繰り広げている鈴蘭男子高校。現在の最大勢力は、3年の芹沢が率いる一派だ。そこに鈴蘭制覇を狙う転入生・滝谷が現われ……。(映画.comより)

バカ映画なのである

ストーリーもかなり単純で、風紀が荒れすぎて世紀末みたいになっちゃった県内随一の不良学校『鈴蘭高校』に転入生(?)としてやってきた小栗旬演じる滝谷が鈴蘭のトップを目指すまで、ただそれだけです。

尺はキッチリ2時間で、雑味無しの下剋上映画になっており、個人的に前から結構好きなバカ映画です。

でもヤンキーは学校に行く

前述の通り、もはや教育施設としての体が一切ない鈴蘭高校のビジュアルは見事の一言で、パッと見だけギリ学校って感じの、基本的には『マッドマックス』的な状態です。また、いくら高校自体がヤンキーの溜まり場になっているとはいえ、しっかりと学校通学をしている点も個人的なオモシロポイントで、個人的には「みんな出席日数が気になりながら無理してヤンチャしてるのかな…」みたいな、どうでも良いことも考えてしまいます。

そもそも、この鈴蘭高校って先生居る意味あるんでしょうかね。

話は王道の青春映画

本作の雰囲気は基本的にベタベタな青春映画で、喋ってるセリフもまあクサすぎて草って感じではあるんですけど、おそらくですが本作の監督は邦画やり過ぎバイオレンス映画のキング・三池崇史なので、クッサイセリフの数々はワタクシ的には敢えてやってるんじゃないかと思います。そのくらいクサいセリフが盛り盛りなので、そういう意味では、邦画の往年の青春映画を盛大に皮肉ったブラックコメディとも言えます。

分かりやすすぎるド直球なラストも含めて中二病が全開になっている映画で、いつ見ても楽しい映画だと思います。あわよくば三池崇史らしいバイオレンスな悪ノリがもうちょいあったら良かったですが、原作が少年漫画なのでそこは仕方ないですね。ヤンキー映画ならば『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズと肩を並べる出来でしょうね。