おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『FULL METAL 極道 (1997)』【80/100点: デカ●ン】

何となく惰性的に観た一作なのですが、そのあんまりにもしょうもない内容(褒め言葉)に大笑いしてしまったVシネマ。監督は本作の後にサイコスリラー『オーディション』で世界的に有名になる三池崇史監督。

内容は何と、一言で片付けられます。「ヤクザが抗争で殺されてサイボーグとして蘇る」、それだけなのです。某ロボコップを思いっきりパクった内容というワケですね。

【ネタバレなし】

お話

懲役を終えた組幹部を迎えに行った鋼健介は、襲撃に巻き込まれて死亡した。だが彼は、半身を鋼鉄で包まれたサイボーグ・フルメタル極道として復活する。(allcinemaより)

三池崇史、全盛期の映画

サイボーグ“フルメタル極道”こと鋼(はがね)役を名バイプレーヤー俳優のうじきつよしが演じているのですが、童顔の見た目通り冴えないヤクザ役。それで、「冴えないヤクザを何故サイボーグにするのか?」というハテナは一旦つくものの、その後は90~00年代の三池監督の特徴であるブッ飛んだ過剰演出のおかげで最早どうでもよくなります。

そもそもこのフルメタル極道のキャラクターがまあテキトーも良いところ(褒め言葉 ※2回目)。ベースとしては「殺された死体の脳を使って…」という、ここもまた某ロボコップのパクりですが、本家の某ロボコップと違うのは背中のもんもん(刺青)、そして一緒に死んだアニキから譲り受けたデ●チン。んで、このデカ●ンなのですが、ふた昔くらい前AVみたいなガビガビモザイクがかかっており、お笑いの偏差値としてはものすごい程度が低いのですが、あまりにも露骨で爆笑必須の映像でした。と、まあその“誕生”の場面だけでも「その設定いる?」「その場面いる?」と思ってしまう部分はありつつも、突っ込んだらナンセンスでございます。

無駄に豪華なキャスト

大杉漣北村一輝と、ブレイク前夜の豪華キャスト陣もなかなか秀逸なのですが、中でも強烈だったのが田口トモロヲ。終始バカボンのパパみたいな口調にこれまたモザイクありの●カチンとやりたい放題。濃すぎて胸焼けしそうな役柄でした。

シリアスな始まりからブッ飛んだ展開と言い、初期三池監督らしいエッジーな作品でした。Vシネマ時代の尖りまくってた三池監督の真骨頂とも言える一作でしょうね。