おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『ダークシティ (1998)』【55/100点: 雰囲気は良い微妙な映画】

ワタクシのマイベスト映画の一つである『クロウ/飛翔伝説』のアレックス・プロヤス監督によるSF映画。記憶のない男が暗闇の街をあっちいったりこっちいったりしているうちに、山海塾みたいな白塗りの集団に襲われて逃げ回る、という内容です。何となく、「不条理SF」って言うのが正しいんですかね?

【ネタバレなし】

お話

凄惨な殺人現場で、記憶をなくした状態で目覚めたジョン・マードックルーファス・シーウェル)は、やがて自分が、警察や彼の妻だと名乗る女など、様々な者に追われていることを知る。その中には青ざめた顔の謎めいた男の一団がいて、どうやらこの街――そして住人――は、すべて彼らに支配されているらしかった。(ワーナー・ブラザーズの公式サイトより)

映像は鬼のようにカッコイイ

個人的名作『クロウ』の監督だけあって、コントラストが強い渋さマシマシな画作りは相も変わらずで、尚且つ極端にゴシックな雰囲気も悪い夢を見ているようで良かったと思います。キャスト陣も意外と豪華で、特にアラサーの時期でとんでもなく綺麗なジェニファー・コネリーの艶感は異常です。

盛り上がりに欠ける物語

一方で、ストーリー的には「実は山海塾たちは宇宙人だった」「実は主人公は宇宙仕込みの超能力が」と、結構中二病丸出し感の意味不明さなので、何とも言い難い部分もあります。ストーリーが進むごとに結構斜め上の展開をしていくものの、ラストを除いてそこまで盛り上がりのある場面もないので、ランタイム100分程度の短い映画ながらも割と中盤で、早速飽きを感じる部分もありました。

『クロウ/飛翔伝説』であれだけテンションを上げてくれたアレックス・プロヤス監督だけあって、序盤の秀逸な映像美やミステリー調のオープニングがとても秀逸だっただけに、その後の展開がちょっと残念に感じました。1回観れば十分かな、的な映画でしたね。