おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『ゴジラxコング 新たなる帝国 (2024)』【75/100点: コングxチビ太】

あくまで日本だけらしいんですが、ハリウッド版ゴジラと『ゴジラ-1.0』が同時期上映になっているという邦画史では初の現状が起きているらしく、そんなワケで嫌でもマイゴジと見比べちゃうんですが、前作『ゴジラVSコング』に引き続き人間側のドラマは「バカにしてんのか」レベルで陳腐で退屈なものの、コングとチビコングの友情ストーリーが結構面白かったです。

もっと言うとゴジラはおそらく本作に出なくても成立したんじゃないか、という根本的な欠点に気がついてしまうんですが、今年でゴジラが70周年なので、出さざるを得なかったんだろうなという大人の事情も察してしまいます。

【ネタバレなし】

お話

怪獣と人類が共生する世界。未確認生物特務機関「モナーク」が異常なシグナルを察知したことを発端に、ゴジラが君臨する地上世界とコングが生きる地底世界の2つのテリトリーが交錯し、ゴジラとコングが激突する。

しかし、その先には人類にとってさらなる未知の脅威が待ち受けており、怪獣たちの歴史と起源、さらには人類の存在そのものの謎に迫る新たな冒険が繰り広げられる。(映画.comより)

「人間ドラマ、いらなくない?」

話は髑髏島から地下世界に定住したコングくんが右往左往の後に、“スカーコング”という悪コングが支配するコング族を見つけて、道中で相棒になったチビコングと共にコング族の解放に向けて動く、というよくあるハリウッド映画的な話。こう書くとやっぱり「ゴジラいる?」ってなっちゃうんですが、まあ今回のゴジラは破壊要員ってことで思い切り脇役です。

前述の通り、人間側の話は結構退屈で、おまけに説明セリフばっかりで取ってつけた感がすごいです。一方でコングとチビコングの話はセリフも一切無いのに結構面白いという謎現象が起きているので、これもういっそのこと人間いらないんじゃないか論まで思ってしまいました。

チビコングが良い

チビコングがやたら可愛いのも結構ツボで、チビなりにクソガキ感が溢れ出ているのもキャラが立っており、コングの相棒としては結構良いポジションに収まっていたと思います。

コングもコングで本作でシャワーシーン(?)が2回、虫歯治療シーンがあったりと、謎描写の数々のお陰で休日の中年のような哀愁も面白く、大塚明夫さんの吹替を付けてあげたいくらいの渋さが醸し出してました。

目立たないゴジラ

「僕、70周年なので来ちゃいました」感が終始あったゴジラさんには特に感想はないんですが、最後の最後で最強ぶりも見せつけて良いとこ全部持っていく荒技を披露していきました。なので、世間に一定数居るだろうゴジラファンは全然満足しなそうな構成になっているものの、振り切ったやり過ぎ描写のオンパレードには個人的に結構面白かったです。

人間ドラマを全部カットしてコングのお話だけで2時間やってくれたらもっと面白かったのは間違いないですけど、そんなコト言ったら大コケしていたと思うのでまあしゃあないですね。もう一度言いますが、本作のゴジラ、脇役です。