おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『ゴジラ-1.0/c (2024)』【90/100点: モノクロ映えでより怖くなった巨神】

昨年の傑作『ゴジラ-1.0』のモノクロ版で、モノトーンの色合いのおかげで巨神“ゴジラ”の怖さがパワーアップしたと言っても語弊がないであろうバージョン。

色味は暖色系で、朝ドラ的世界観の戦後東京が無常に破壊し尽くされる通常版の方が個人的に好みではありますが、単純な色の見え方の違いだけでも通常版よりも“ゴジラ”という存在の神々しさが増す、という事実にビックリしました。

【ネタバレなし】

お話

↓通常版の記事をご参照ください↓

osugimura-kon.net

傑作がモノクロになって帰ってきた

内容に関しては以前取り上げた通りであり、本作『/c (マイナスカラー)』においての新規カットは、ワタクシが確認出来た限りは、1950年代バージョン東宝ロゴと、昨年末に急逝された株式会社ROBOT創設者の阿部秀司さんの追悼テロップの2点のみ。故に本当にモノクロ化されただけの映画ではありますが、相当丁寧にグレーディングされているのか割と序盤くらいからモノクロの違和感は無くなります。

色情報が少ない分、ずっと不穏な空気感を感じる状態になっており、モノクロ特有でもある輪郭の見え辛さによってより残酷に見えるような気もします。また、面白かったのが俳優たちの見え方すらも変わってくることで、モノクロになると不思議なモノでそれぞれ昭和の俳優に見えてくるんですね。

昭和俳優に見えてくる俳優たち

神木隆之介は小泉博、浜辺美波香川京子吉岡秀隆志村喬にそれぞれ時間が追うごとに似てくるワケで、特に堀田艦長役の田中美央は、通常版からして顔立ちが東宝特撮によく出ていた藤田進に元々似ていることもあり、今回のモノクロバージョンではもはやソックリとしか言いようがない見た目に。

モノクロ映像のおかげで田中美央は特撮役者としての存在感を十分にゲット出来たんじゃないかと思います。もし続編が出来るならば、堀田艦長はぜひ出てきてほしいキャラクターだと感じますね。

東宝よ、続編を作るのだ」

個人的には『ゴジラ-1.0』自体が紛う事無き大傑作であることには揺ぎ無く、本作のクオリティが保てるかは別としても本作の続編はぜひ観てみたいので、今後も東宝さんには“ゴジラ”というブランド維持を頑張ってほしいなと思います。ワタクシ的には、山崎監督は間違いなく『ゴジラ』をもう一本撮った方が良い監督だと思いますね。

その続編の出来不出来は別として。