本作にて、薄目で見ればギリ似ているマリオを演じたボブ・ホスキンスが「関わった映画で一番最悪」と言ってたり、前述の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のスタッフさんたちには「前の映画(本作)が失敗したから乗り越えやすい」など、現在においてもクソミソに言われてる映画で、伝説的な駄作としての評価を確固たるモノにしています。
【ネタバレなし】
お話
6500万年前、現在のニューヨーク・ブルックリンの地に巨大隕石が落下し、恐竜世界と人間世界は2つに引き裂かれた。だが、絶滅したと思われていた恐竜はひそかに進化し、地下に独自の世界を作り上げていた。
ブルックリンで配管工事を請け負うマリオとルイージの兄弟はある時、下水路で化石発掘を行う調査チームのリーダーであるデイジーと知り合う。しかし、デイジーが謎の男にさらわれてしまい、彼女の後を追ったマリオたちは、巨大な地下空間に広がる恐竜人の帝国にたどり着く。(映画.com)
そもそもイメージが違う
まず大前提で、世界観のどこにもスーパーマリオの要素がないという最大の欠点があり、同時期に酷評を受けた実写版『ストリートファイター』と比べても「『ストリートファイター』は案外頑張ってたんだね」と捻じ伏せられるような欠落著しい状態になっています。
100歩譲って『スーパーマリオ64』で立体化する前のスーパーマリオとはいえ、薄目でやっと似ているマリオを筆頭に、キャラクターが揃いも揃ってイメージ違いです。
デニス・ホッパーはこんなのに何故出た
特にすごいのが大ボスのクッパ様で、パンクバンドみたいな髪形をしたデニス・ホッパーがほぼ素顔で演じています。「これがクッパ様なんですよ」と言われても些か許容の範囲というか限度というか…もあるワケで、いつも通りの怪演がここまで空回りするハリウッドの悪童デニス・ホッパーの姿はある意味見物です。
ルイージに至ってはただのヒップホップ系の兄ちゃんだし、サイズの小さいポコチンみたいな風貌の「グンバ」なるキャラクターが、実はノコノコがモデルと知った時にはズッコケました。どこがノコノコやねんと。
豪華スタッフ&キャストのZ級映画
というワケで、ストーリーもビジュアルもキャストもすべてウルトラZのような一作で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のサントラでお馴染みアラン・シルヴェストリの無駄に豪快なBGMも本作の出来の悪さに拍車をかけています。本作のポンコツっぷりを観ると、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は桁違いの神作にもみえてきます。
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