おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『ルディ/ 涙のウイニング・ラン (1993)』【85/100点: 活躍は最後だけの感動作】

アメフトが題材の実話を基にしたスポ根映画。スポーツが題材の映画らしく胸に迫るアツさで感動させる王道展開にはなっていますが、主人公の人物造形が結構特殊(後述)な為、個人的に結構好きな映画です。

【ネタバレあり】

お話

幼い頃からフットボール選手に憧れ、ノートルダム大学の名門チームでプレーすることを夢見ていたルディ。経済的な事情と学力不足から進学を諦めかけていたルディだったが、唯一の理解者だった親友の死をきっかけに、再び夢に向かうことを決意する。(Filmarksより)

バカにされても突き進む純粋さ

ルディくんなのですが、子供の頃からめちゃくちゃアメフト好きで「僕は(アメフトの名門)ノートルダム大学で、アメフトの花形選手になるんだ!」という純粋な夢を持った学生です。が、このルディくん、アメフトのことばっかり考えてるあまり学力も低迷気味。そして、アメフトの選手平均身長は180㎝のところ、ルディくんは身長が160㎝弱しかありません。

この身長差はアメフト選手としては致命的のハンディとなるワケで、友人だけでなく家族からも「チビがアメフトの試合に出れるワケねーじゃん」とバカにされています。しかしながら、とにかくひたむきなルディくんは逆風をものともせずに、前述のノートルダム大学に合格しアメフト部の所属に。そこでもただひたすらに「大学フットボールのスタジアムで試合に出場する」という目標だけの為にただガムシャラに練習に励む、というのが本作の大筋です。

活躍は僅か40秒

実にアメリカっぽい「頑張れば夢は叶う」というお話なのですが、何と本編でルディくんが活躍するのはラストの大学卒業試合の最終盤、僅か40秒。しかもわざわざ仲間たちがディフェンスの穴を開けてくれたことで出場出来ただけで、本来はずっとベンチ待機のはずだったのにです。

このルディくんですが、アメフト好きなのは前述の通りなのですが、身長のハンディが大きくネックになっていて、最終盤に到るまで「アイツいるとパワーで負けて点取られちゃうから…」とレギュラーに選ばれないという展開になっているんですが、どうやっても試合に出る為にド根性でハードな練習に参加します。

ほぼ全編に渡ってバカにされつつも頑張り続けるひたむきなルディくんに非常に胸が打たれるワケで、いじり半分だったアメフト部の仲間たちも「おいルディ、頑張ってんな」「あんまり無理すんなよ」と徐々に打ち解け始めます。

頼りになるチームメイトが居るアツさ

最終試合に関しても本来はベンチ入りすら無理だったのですが、「頑張ってるルディにせめて一瞬だけでも華を持たせたい」とルディくんにチームメイトたちがコーチに訴えてベンチインを果たします。このチームメイトたちが「コーチ、お願いだからルディを試合に出してほしいです。僕は出れなくても良いですから」と訴える場面がとにかくアツいんですよね。

逆境に負けてはいけない

スポーツ映画にしては主人公の活躍もちょっとしかないので、ただただ地味ィな映画ではありますが、積み重ねた頑張りが最後の最後にドンと爆発するような良作です。隠れた傑作だな、とワタクシ的には思っている一作で、逆境に負けないことは大事と思わされる映画です。