おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『ザ・フラッシュ (2023)』【85/100点: 大正解のマルチバース展開とカッコ可愛すぎる最強ヒロイン】

以前鑑賞した『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』もマルチバース世界が舞台で、(並レベルで面白かったものの)個人的にあの作品中でマルチバースに侵入する理由や、それによって色々起こるピーター・パーカーの自業自得ぶりが何となくピンと来なかったんです。

なので、「ヒーローとマルチバースは食い合わせ悪いのでは?」と勝手な偏見があったんですが、本作『ザ・フラッシュ』は終始腑に落ちる展開だったと思います。

【ネタバレ若干あり】

お話

地上最速のヒーロー、フラッシュことバリー・アレンは、そのスピードで時間をも超越し、幼いころに亡くした母と無実の罪を着せられた父を救おうと、過去にさかのぼって歴史を改変してしまう。そして、バリーと母と父が家族3人で幸せに暮らす世界にたどり着くが、その世界にはスーパーマンワンダーウーマン、アクアマンは存在せず、バットマンは全くの別人になっていた。

さらに、かつてスーパーマンが倒したはずのゾッド将軍が大軍を率いて襲来し、地球植民地化を始めたことから、フラッシュは別人のバットマンや女性ヒーローのスーパーガールとともに世界を元に戻し、人々を救おうとするが……。(映画.comより)

マルチバース系は結局似たような話になるが…

振り返ってみたら、“動きの早いヒーロー”“やらかして人頼み”“過去の悪役再登場”など、割と序盤は前述の『スパイダーマン:NWH』と同じになりそうな盛り付けです。ただ、タイムトラベル映画のド定番設定を押さえた展開、満を辞して登場した“スーパーガール”の異様なまでのカッコ可愛さがあったからか、ワタクシ的に圧倒的にコッチの方が好きです。

飛び交うような小ネタの数々も見事で、映画好きであればあるほど楽しめる作品な気もします。マーベルヒーロー物でよくある「アナタは元ネタ当然知ってるでしょ?」みたいないやらしさもないので、そこが純粋に良いなと思いました。

ナイスキャラの2人

30年以上前にバットマン映画2作でタイトルロールを演じたマイケル・キートンがまさかのバットマン再演ということで、幼少期からキートンバットマンを鑑賞していたワタクシ的には結構胸熱でした。

加えて、スーパーガールのホラン千秋的なエキゾチックビューティーぶりも見事で、しかも能力は最強。一気に好きになってしまいました。

話はトリッキーだが、定番は抑えてる秀作

比較的長尺の映画ではあるものの、話の展開としても、オープニングは軽い青春モノのノリ→伝説のヒーロー復活→ブチ切れ最強ヒロイン誕生…と都度都度で変わっていく感じなのも良かったです。飽きさせないような仕掛けが、まるでテーマパークのアトラクションのようで観ていて気持ちよかったですね。

ってことで、アメコミ映画をそこまで掻い摘む程度しか追いかけていないワタクシ的にも、2021年の『ザ・スーサイド・スクワッド』以来の傑作だったと思います。DCに届いて欲しいメッセージはただ一つで、「『スーパーガール』でスピンオフを早く作れ」です。そのくらいスーパーガールのとてつもない輝き、変え難い圧倒的な存在感がありました。

関連作

osugimura-kon.net