おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『フォールガイ (2024)』【80/100点: スタントマンが作ったスタント満載のスタントマン映画】

ライアン・ゴズリング演じるスタントマンのコルト・シーバースが陰謀に巻き込まれてシドニーの各地でアクションを繰り広げるアクション・コメディ。スタントマンが主人公ということで、これでもかとアクションシーンが盛り込まれており、アクション好きは泣いて喜びそうな一作。

一方でストーリーに関しては取ってつけたみたいな薄口極まる話なので、ここら辺は評価が分かれるところな気がします。ちなみにワタクシは「アクションすごかったなあ」で何となく元とった感は感じました。

お話

大怪我を負い一線から退いていたスタントマンのコルトは、復帰作となるハリウッド映画の撮影現場で、監督を務める元恋人ジョディと再会する。そんな中、長年にわたりコルトがスタントダブルを請け負ってきた因縁の主演俳優トム・ライダーが失踪。ジョディとの復縁と一流スタントマンとしてのキャリア復活を狙うコルトはトムの行方を追うが、思わぬ事件に巻き込まれてしまう。(映画.comより)

旬の俳優がダブル主演

昨年の『バービー』の大ヒットで改めてスター感が増したライアン・ゴズリングに、こちらも『オッペンハイマー』の大ヒットで女優として泊が付いた感もあるエミリー・ブラントが元カップル役で出演。大事な時にこんな軽い映画に出て良いのか、と思ってしまうコンビではあるものの、それぞれスタントマンと映画監督を飄々と演じています。

『グレイマン』でキレキレアクションを披露したばかりであるライアン・ゴズリングは、本作でも長い手足でもってスタントマンを快演。センチメンタルな脳筋、という意外と難しい役柄をモノにしちゃってます。

バカ映画である

とはいえ割とバカ映画寄りの内容なので、前述の通りストーリーは刺身のツマ程度の内容で、コルトが陰謀に巻き込まれるキッカケもぶっちゃけ「あっそ」レベルの内容です。良くも悪くもアクションシーンを盛り込みたいが故にストーリーが犠牲になっているんだと思うんですが、そのくらいアクションシーンが盛り盛り。映画館の音響はサラウンドの音声があっちいったりこっちいったりみたいな状態です(褒めてます)。

とにかく映像はド派手で、「ここでバトル必要?」と思ってしまう場面でも、アクションシーンの見事さで捻じ伏せるという(言葉通りの)力業を披露しており、ここら辺はスタントマン出身であるデヴィッド・リーチの持ち味といったところでしょう。何でも劇中冒頭辺りの車の回転シーン(キャノンロール)の場面はギネス記録に載るほどの回転数だそうで、ボーっと観てても確かにすごい場面になっています。

「スタントマン」の映画

デヴィッド・リーチ監督も言っている通り、「スタントマンへのラブレター」みたいな映画なので、アクションシーンが楽しめなければひたすら違和感を感じるであろう映画な気もしますが、仮にワタクシが小学生だったとしてこの映画を当時観たら超興奮していたと思います。そんなノスタルジーも感じる、スタントマンが作ったスタントマンの映画だと思います。そういえば、字幕の監修が『るろうに剣心』実写版のアクション監督の谷垣健治さんでした。

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感想(2件)