クリスマスの神様サンタクロースが強襲してきた強盗団相手に激闘する、という出オチ感がハンパない一発ネタを2時間たっぷり見せつけてくれるアクションコメディ。監督はノルウェーの名作(迷作?)ホラーコメディ『処刑山』シリーズのトミー・ウィルコラ。
【ネタバレなし】
お話
物欲主義な子どもたちに嫌気がさして久しく、なにかと疲れ気味のサンタクロースは、それでも体に鞭を打ち、良い子にプレゼントを届けるため、トナカイの引くソリに乗ってクリスマスイブの空を駆け回っていた。
とある富豪一家の豪邸に降り立ち、煙突から中へ入ったサンタは、金庫にある3億ドルの現金を強奪しようと邸内に潜入していた悪党のスクルージー一味と鉢合わせてしまう。見なかったことにしてその場を去ろうとするも、すぐさま大騒動に発展。子どもたちにプレゼントを届ける能力はあっても戦闘能力はゼロのサンタが、武装集団を相手に孤軍奮闘する。(映画.comより)
脳筋サンタの活躍
ク●ガキが多くなった現代で酒浸りになったサンタさんが申し訳程度でプレゼントを届けに行った豪邸で、強盗団と鉢合わせしちゃって豪邸から出られなくなり、優しい女の子に助けを求められて「クソ…しゃあねえな…」と戦闘本能剥き出しのサンタさんが切る撃つ刺すと大立ち回りを繰り広げる…ただそれだけ。どこを切っても偏差値の低い映画なんですが、終始漂っている脳筋の匂いが香ばしくて楽しい一作です。
サンタさんを演じるのはネトフリの『ストレンジャー・シングス』シリーズの“署長”でお馴染みのデヴィッド・ハーバーで、だらしないボヨンボヨンの腹に腕はタトゥーまみれというイカつさバリバリのサンタ像が笑わせてくれます。
オマージュ満載
本作の中でも言及されてるんですが、『ダイ・ハード』や『ホーム・アローン』にすごくリスペクトを捧げている映画で、その他のクリスマス映画や往年のアクション映画へのパロディ的な側面もあり飽きさせてくれません。例えば、モロに『ランボー』一作目をパクってるセルフ手術シーンは個人的にかなりツボにハマりました。
アクションは『ブレット・トレイン』のチーム
また、スタッフ陣が昨年の大傑作『ブレット・トレイン』の皆さんなこともあり、矢継ぎ早で繰り広げられるサンタさんの暴力装置っぷりには笑いが止まりませんでした。世の中のサンタ像をまるで無視したゴア描写の数々なんて、もはや一周回って気持ちいいくらいでしたね。まさしく“Violent Night”というか。
そんな感じで、映画好きにとってみれば詰め合わせパックのような贅沢な映画で、バカ笑いで2時間弱を過ごせる筋金入りのバカ映画でした。まあ、あまりにもしょうもない内容の映画なので、鑑賞後に「何見てんだろ…」って思ったのも事実ですが(褒めてます)。