おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『ジョン・ウィック: コンセクエンス (2023)』【90/100点: アクションがいっぱい】

最強の殺し屋ジョン・ウィックが規格外の無双をするのを楽しむアクション映画シリーズ最新作。主演はお馴染みキアヌ・リーヴスで、これまで登場したキャスト陣の他、ジョンの旧友役としてドニー・イェン真田広之が登場。

アクションレジェンド2人のバトルシーンがあるということで、予告編の時点で叙々苑たいめいけんを一緒に食べるかのような強烈さを感じたのですが、本編鑑賞時でもその熱が冷めることがなかったです。

【ネタバレなし】

お話

遡ること『2』にて主席連合管轄の“不殺の掟”があるコンチネンタルホテルNY内で殺人を犯したことで、全世界の殺し屋から追われる身になったジョン・ウィックですが、『パラベラム』のラストで親友のウィンストンにすら裏切られ、死にかけたことでより一層主席連合への復讐心が強まったジョン。

前作『パラベラム』のように逃げてるだけじゃ何も終わらないってことで、本作では主席連合への報復と、自分の過去の清算を行う為に闘うジョン・ウィックの姿が描かれます。

87eleven Action Design

169分という長尺を一切感じないアクションに次ぐアクションのテンコ盛りっぷりは贅沢の一言で、これまでの『ジョン・ウィック』シリーズ4作中だと本作が最高傑作だと個人的に思います。ついでに言えば、監督のチャド・スタエルスキが率いる「世界最高峰」とも言われるスタントチーム“87eleven Action Design”が魅せるアクションシーンの集大成とも言えるでしょう。

SANADA VS DONNIE

下地にはちゃんとストーリーがあるのですが、そんなのどうでも良くなっちゃうくらい全編がバトルに満ち溢れています。前半の舞台になるのは大阪で、主席連合傘下の大阪コンチネンタルホテルを取り仕切っているのが真田広之演じるコウジというワケです。本部(主席連合)の掟よりも個人の仁義を重んじる友人コウジの手助けもあり、大阪に降り立ったジョンですが、行動を察知されてたこともあり、間も無くして大阪コンチネンタルホテルが襲撃されてしまいます。

この大阪コンチネンタルホテルの襲撃場面の時点で、キアヌや真田広之ドニー・イェンとの激闘となるワケですが、それぞれ還暦前後ながらあり得ないくらいキレキレで、ビックリ人間っぷりを披露してくれます。特にドニー・イェンに関しては盲目の戦士ということで、『ローグワン』のチアルートを思い出すような役柄ながら、バトルが始まる時の殺気立つような雰囲気は秀逸で、“宇宙最強の男”そのものな役です。

チョコだらけならぬ「アクションだらけ」

この大阪の激闘は前半のハイライトにはなっており、普通の映画ならラストに持っていきそうなグループバトル場面になっておりますが、後半からは1対1やカーアクションのバトルが中心になっています。こんな感じであらゆるスタントアクションをすべて集めたかのような満足度の高い場面の多さのおかげで、体感速度はとてつもなく速い印象でした。

ラストのジョン・ウィックなりの“落とし前”の付け方も痺れる展開ではあったものの、ラストの伏線の張り方的にほぼ間違いなく続編も作ると思うので、今後のシリーズの展開に期待したいですね。