おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『赤ずきん、旅の途中で死体に出会う。 (2023)』【20/100点: 安い推理、安い展開、安い笑い】

偶然予告編を観て「何だか嫌な予感がするぞ」とワタクシのダークサイドがビンビンに(勿論悪い意味で)反応してしまって鑑賞したのですが、案の定というか、全く面白くない映画でした。一応、ファンタジー世界を舞台とした推理モノのコメディであるものの、何故か全部置きに入っちゃっており、すべての点で盛り上がりません。

ただ個人的に、最近比較的良い映画ばっか観てたので、「ここいらでク◯映画でも観たいな」とは思ってたところに来た大玉ともあり、ワタクシの精神的セルフプレジャーとして酷評しようと思います。

【ネタバレなし】

お話

赤いずきんを被った少女・赤ずきんは、旅の途中で灰だらけの少女・シンデレラと出会う。魔法使いに素敵なドレス姿に変えてもらった2人は舞踏会へと向かう途中でカボチャの馬車で男をひき殺してしまう。バレることを恐れ、なんとか死体を隠した2人はお城の舞踏会に無事到着し、シンデレラは王子様と恋に落ちる。そんな中、男の死体が発見されたことで舞踏会は中断。赤ずきんとシンデレラは最大のピンチに直面するが……。(映画.comより)

金田一赤ずきん

主演の赤ずきんは橋本環奈、シンデレラ役は新木優子、イケメン王子役は三代目J Soul Brothersの岩田剛典、他は主に福田雄一作品でよく見るキャスト陣です。

内容に関しては、赤ずきんとシンデレラが出会って、王子様が居る舞踏会に行ったら殺人事件が発生して、まさかの女“金田一少年*1的な名探偵だった赤ずきんが事件を解決する、ってな話です。

捻りも一切ない、フーン、って感じのお話ですね。

「怒ったカンナ」の前に普通にシンドイ

ベースはファンタジーな世界観でコメディとシリアスを行ったり来たりするという、映画版『モンティ・パイソン』的な世界観なのですが、これまでの福田雄一作品と比べてもギャグのキレが著しく無く、当然ながら『モンティ・パイソン』みたいにギャグが分からなくても教養的に面白いって感じの洗練さもないので、ややウケすらないという苦行状態。その割に「ほら〜面白いだろ〜?」的な雰囲気が漂っているので、ワタクシ的にはだんだんと腹が立ってくる感覚がありました。

いかんせん女性キャスト陣はみんな美女ばっかりなんですが、そのせいかファンタジーの世界観もほとんどコスプレショー状態になっているので、中盤くらいになると若干食傷気味なのか「うわあやっぱ芸能人って綺麗だなあ」という感情も無くなり…気がつけば「無」の感情です。禅の境地です。

果ては空中分解のオチ

推理のオチに関しても、「どこかでそんなこと言ってたっけ…?」的な、『オリエント急行殺人事件』のようなガッカリオチ。「お前が犯人かい!」というオチのせいで謎解きの面白さが完全に空中分解してしまってます。

というか、一応建前“サスペンス”とか“推理”の内容なのに伏線描写ほぼ無しで、橋本環奈の「実は私はあの時こう思ったの…」みたいな台詞で謎を処理するってのも割と反則手な気もしますね。そんなこと言ってたら登場人物みんな容疑者になっちゃいますよ。『アウトレイジ』じゃないんだから。

ということで、ハシカンや新木優子の可愛さしか印象に残らないダルダルの映画でした。配信で良かったです。映画館で観たら確実に号泣してます(悪い意味で)。

*1:どっちやねん!