おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『オッペンハイマー (2023)』【90/100点: 世界を変えた男の受難】

“原爆の父”であるオッペンハイマー博士についての伝記映画となり、広島と長崎に投下された原子爆弾の製作過程が描かれるということもあり、日本人としてはとりわけセンシティブな内容を取り上げた作品で、日本公開日の一昨日からは国際問題一丁噛みみたいなネットユーザーたちも熱を上げている“問題作”。

遡れば日本でユニバーサル映画の配給をしている東宝東和の公式サイトに公開予定が載っていたものの、数日で名前が削除された後、『バービー』のスタッフの悪ノリで発生した“バーベンバイマー騒動”で主にXが大炎上。こんなこともあり「この映画もしかして日本で公開されないんじゃないか」ってくらい燃え切った本作でしたが、全世界公開から遅れること8カ月余り、ようやく公開となりました。

【ネタバレ若干あり】

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『雪山の絆 (2023)』【80/100点: 高所だし食べ物をないし…】

アンデス山脈に墜落した飛行機から奇跡的に生還した人々の地獄のようなサバイバル体験することになった「ウルグアイ571便墜落事故」の実話を映画化した内容で、監督は『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のJ・A・バヨナ

ジュラシック・ワールドは雇われた仕事だもんで」と言わんばかりのエンタメ性皆無な壮絶描写はまるで高倉健の『八甲田山』のようで、高評価も頷けるサバイバルドラマでした。

【ネタバレなし】

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『デューン 砂の惑星 PART2 (2024)』【85/100点: 新たな続編映画の傑作】

前作『DUNE/デューン 砂の惑星』は「ここから何か始まるんだな…」と思いきやそこでエンドクレジットが始まるという、要は何も始まらないで結末になった異色作だったので、「前は映像は良かった分許容したけど、もう一回同じことされたらキレてしまうかも」という気持ちで今回のPART2を観に行きました。

うん…めちゃくちゃ良かったです。今回はちゃ~んとストーリーも動いており、キャラクターの素性も見え始めて分かりやすく、映像も「極上の丼でございます」みたいにとんでもないことになっています。

【ネタバレなし】

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『ゴールド・ボーイ (2024)』【75/100点: イキりサイコパスVSマセガキ】

DEATH NOTE デスノート』シリーズの金子修介監督による、サイコパスの連続殺人犯と悪ガキたちの心理戦を描いたサスペンス映画。主演は岡田将生で、対峙する悪ガキを羽村仁成くんが演じています。両者ともにかなり腹の立つ人間を演じており、性悪同士が心理的なバトルを行っていく展開は面白かったです。

ただ、展開の流れとして、羽村くん演じる朝陽の離婚した父母の行く末がなんか結構不憫に感じてしまったので、後述の内容含めて少年側の「何だコイツ感」が少し気になってしまいました。まあ少年とて、サイコパスってそういうモンなのかもしれないけど。そんな部分は感じてしまいましたが、サスペンススリラーとしては近年の邦画でも出色の傑作な気がします。

【ネタバレなし】

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『パレード (2024)』【80/100点: 長澤まさみの「大霊界」】

人は死んだらどうなるか、という人として究極の疑問を映画化した作品で、主演は最近さらに活躍著しい長澤まさみ

ワタクシ個人的に「志半ばで…」みたいな感じで死にたくない(長生きしたい)と色んな人によく言っており、とはいえ万が一ワタクシが急逝した場合は「アレやりたかったのに!」と速攻化けて出るんじゃないかと自己分析している部分もあって、そのような点から本作の内容には若干共感要素もあった気がします。

【ネタバレ若干あり】

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