おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE (2023)』【85/100点: ますます脳汁ドバドバなトム・クルーズ】

先日「僕もハリソン・フォードみたいに80歳までイーサン・ハントを頑張るよ」と宣言した奇跡の61歳トム・クルーズ

本来スタントマンがやるようなハードなアクションシーンをトム自ら演じていることでお馴染みになっちゃった『M:I』シリーズですが、そんな40年以上の彼のキャリアで一番危険に見えるアクションを今の年齢でやる、というエグい場面がハイライトになっている『M:I』シリーズ最新作です。

【ネタバレなし】

お話

IMFのエージェント、イーサン・ハントに、新たなミッションが課される。それは、全人類を脅かす新兵器を悪の手に渡る前に見つけ出すというものだった。

しかし、そんなイーサンに、IMF所属以前の彼の過去を知るある男が迫り、世界各地で命を懸けた攻防を繰り広げることになる。今回のミッションはいかなる犠牲を払ってでも達成せねばならず、イーサンは仲間のためにも決断を迫られることになる。(映画.comより)

ストーリーは取ってつけた感

自己進化してしまったAIをボスとする組織の解体と、その暴走AIを制御する為の“鍵”の奪還に向かう為、世界中を飛び回るトム演じるイーサン・ハントとスパイ組織IMF (Impossible Mission Force)の皆様を追ったお話。昨年のベストアクション映画『トップガン マーヴェリック』の続いて、もはやハードなアクションシーンの為にストーリーを取ってつけたみたいな内容にはなっているんですが、とはいえトム拘りのリアルアクション指向のおかげでそんなことは気になりません。

まあそのくらいアクションシーンが凄まじく、飛んで飛ばされ、街中でカーチェイスに銃撃シーンと、一切隠れる気がない堂々としたスパイっぷりはもはや爽快そのものです。やはり凄すぎるのが、予告編やポスターにもあるバイクで崖をジャンプするシーンなんですが、ワタクシがIMAXで鑑賞したこと*1もあって高所恐怖症の人には恐ろしいシーンになっており、そんなシーンをリアルにトムが演じてるモン*2だから誰がどう見ても手に汗握らされるでしょう。

根柢の話はそれなりに現代的

そんな感じで世界各所の名所を破壊していく(?)イーサンの活躍はやはりカッコよく、娯楽作としてはほぼ満点な映画になっています。取ってつけたとはいえ、ストーリーもAIが絡んでいることで現代的ではあり、ありきたりな犯罪組織ではなく“AIがボスになっている組織”という部分がポイント。

つまり「AIが世界支配をしようとするのを防ぐ」というのが今回のIMFへのミッションになっているので、ストーリー自体はシリーズで一番壮大な話になっているんですね。

MIシリーズはもう行くとこないんじゃないか説

ってこともあってか、本作は『M:I』シリーズ初の二部作になっており、後編への期待値はとんでもなく上げられてしまいました。イーサンがあまりにも色んなところでやり過ぎているものの、「もうアナタたち行く所ないんじゃない?」と思うのは杞憂なようで、ラストの伏線的なカットだとおそらく舞台は海底らしく、来年公開だという後編がどういうモノになるのか期待しかないです。

年齢を感じないとは言いつつも、さすがにトムが撮影中に大事故にならないよう祈るばかりでございます。トムが仮に撮影中に死んじゃったら、ブルース・リーの『死亡遊戯』みたいな、似てるのか似てないのか分からないソックリ超人さんを集めなきゃいけないような特殊なシリーズなので。

*1:ワタクシは極度の高所恐怖症なのである

*2:ジャッキー映画よろしく、アクションシーンでは「トム本人が演じてます」的なカットが度々挟まれます。