おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『THE FIRST SLAM DUNK (2022)』【75/100点: バスケ音痴も楽しめる青春映画】

ジャンプ漫画の名作『SLAM DUNK』のコミック上だと最終盤となる、インターハイでの山王工業高校との激闘に加えて、ツーブロックの宮城くんを中心とした城北高校の面々の活躍を描く青春アニメ。

何と、原作者の井上雄彦先生が直々に監督を務めるという、原作ファンがヨダレ垂らしそうなスタッフ編成が行われております。

【主人公はリョータくんです】

お話

いつも余裕をかましながら 頭脳的なプレーと電光石火のスピードで相手を翻弄する 湘北の切り込み隊長、ポイントガード宮城リョータ。 沖縄で生まれ育ったリョータには3つ上の兄がいた。 幼い頃から地元で有名な選手だった兄の背中を追うように リョータもバスケにのめりこむ。 高校2年生になったリョータは、 湘北高校バスケ部で、桜木、流川、赤木、三井たちとインターハイに出場。 今まさに王者、山王工業に挑もうとしていた。(東映アニメの公式HPより)

普通に青春映画として面白い

ワタクシ、バスケ知識を偏差値で表したらおそらく30%くらいの人間で、加えて原作未読という『SLAM DUNK』適正がほぼ皆無の状態で鑑賞しているのですが、それはさておいて真っ当な青春ドラマとして普通に面白かったと思います。まあ展開に関しては、良くも悪くもジャンプ漫画って雰囲気もあるっちゃあるんですけどね。

「連続アニメと声優が違う」ということで公開前によく分からないネガキャンもありましたが、個人的には全然気にならず、な印象です。しいて言えば「花道がジャイアンの人じゃん」と数分で気がついてしまうくらいですが、とはいえ気になったのは本当に序盤だけです。これぞ演技力の力推しといったところですね。そもそも、ワタクシ的には「そんなに連続アニメ好きなら、ずっと昔のアニメ見てWANDSZARDでテンション上げてれば良いじゃん」って話です。こっちは10-Feet様だぞ!

アツ過ぎる激闘

話は戻って、本作で取り上げられるこの山王工業戦って、「原作での盛り上がりを再現出来ない」と判断されたのか、過去に放送されていたテレ朝のアニメでも取り上げられていないらしいのです。井上先生ご本人をして、「山王戦を超える試合を書けない」とまで言わしめたエピソードにもなるのですが、井上先生総指揮で描かれる激闘がまあアツいのなんの。

間延びしてる部分も正直ある

ただ、一方で気になった点も何個かあり、ゴリの右腕(副主将)である“メガネくん”木暮が全然目立ってないとか、原作者であるが故に井上先生が色んなドラマを描きたかったのか、各々のストーリーが若干間延びしている感じもございました。特に後者に関して言えば、鑑賞側の原作愛が有れば特段気にならない部分かもしれませんが、未読の人間にはやはり気になります。そういう意味だと、原作を読んでる方がより楽しめるという部分も正直あるとは思うので、この点は愛の深さたる部分だと思います。逆に言えば、原作に思い入れが強ければ強い人こそ、本作を充分に楽しめるんじゃないでしょうか。

しかしながら試合シーンの興奮度、そして熱気はムンムンで、所謂アニメ的な演出も極力排除されており、CGによるキャラの動きもあってリアルな試合を観ている臨場感でした。この点だけでもワタクシ的にはお釣りを貰った気分です。

左手は添えるだけ。