おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『燃えよドラゴン (1973)』【85/100点: マネしたくなるカッコ良さ】

ブルース・リーが死んだ妹の復讐の為に、闇組織がとある孤島で開催している武術選手権に乗り込んで余裕の表情のまま連戦連勝していく…という本当にこれだけの内容の映画です。ワーナー・ブラザーズ(米)と後にジャッキー・チェンの映画などで世界に名を轟かすゴールデンハーベスト(香港)の共同製作の映画で、リーの単独出演作として見れば、最初で最後のハリウッド進出作という一面もある映画です。

【ネタバレなし】

お話

香港の裏社会を牛耳るハンは、自身の所有する島で3年ごとに武術トーナメントを開催していた。少林寺で修行する武術の達人リーは、その島で行われている麻薬製造密売の内情を探るためトーナメントに出場するよう秘密情報局に依頼される。かつて妹がハンの手下に殺されたことを家族から聞かされたリーは出場を決意し、島へ乗り込んでいく。

安っぽいのが良い

前述の通り、ストーリーはかなり取ってつけたみたいなC級スパイ映画って感じではあります。とはいえ、とにかく終始ブルース・リーがカッコよくて、公開当時は日本においてもマネをする鑑賞者が続出したのも頷ける圧倒的なキレキレぶりで、ワタクシにおいては、全然世代じゃないにも関わらず本作にハマりすぎてスポンジで出来たヌンチャクを購入した*1ほどでした。

ブルース・リーの圧倒的存在感

言うなれば、ブルース・リーただ1人の存在だけでここまで面白い映画として完成されているという、もはや奇跡の一本としか思えない映画ってワケですね。シリアスな演出の中でカンフー、ヌンチャク、そして顔芸と様々なアクション(?)の限りをしてくれるので、改めて鑑賞してもとても面白い映画だな、と思ってしまいます。

ただ、残念なことに本作の公開年である1973年でブルース・リーが急逝してしまったので、この点は本当に残念で仕方ないですね。当時の映画業界としても、彼の急逝があらゆる面で大きな損失であったのが容易に想像出来ますが、それ故もあってか本作の輝きは公開から50年余り経った現代においても増すばかり。*2

やはり本作のブルース・リーは唯一無二のカッコ良さがあります。

*1:ちなみに、いまだにそのヌンチャクは我が家にございます。

*2:ちなみに、ブルース・リーと言えば『キル・ビル』でもオマージュされた黄色のトラックスーツですが、実は黄色のトラック・スーツを着ているのは遺作(?)の『死亡遊戯』のみ。