おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『ザ・フォッグ (1980)』【65/100点: 不気味だけど怖くはない】

ホラー映画の巨匠ジョン・カーペンターが1980年に発表した映画で、港町に霧と共に幽霊軍団が襲ってくるという斬新なアイディアの恐怖映画。

「霧が襲ってくる」ってアイディア自体は秀逸だと思うのですが、肝心の“霧”がノロノロと動くモンだから後のカーペンター監督の名作ホラー群と比べるとだいぶ眠くなる映画です。

【ネタバレなし】

お話

誕生100周年を迎え記念祭に沸く小さな港町アントニオ・ベイ。午前0時、ラジオDJのスティービーが町の誕生を告げると同時に、町のあちこちで不可解な出来事が起こりはじめる。やがて不気味な霧が町を覆い、亡霊たちが住民を襲う。実はこの町には、100年前の誕生にまつわる呪われた過去があった。(映画.comより)

カーペンター映画らしい強烈な強烈なキャラがいない

前々から名前は知っていたんですが、観る機会…というか単純に気が向かなかったのでスルーしてた映画で、今回U-NEXTでオススメに出てきたので初鑑賞。

『ハロウィン』の殺人鬼マイケル・マイヤーズや『遊星からの物体X』の“物体(The Thing)”、『クリスティーン』の“車”のような強烈な存在感のヴィランが出てくるワケでもないこともあり、鑑賞側はただただ霧を待つような展開になっていること、加えてカーペンター映画はジラしの演出が異様に長いのも特徴なこともあってか、ここら辺がワタクシが眠くなった原因なのかなと思います。

眠くなるけど映像は綺麗

とはいえ、霧が襲ってくる場面の幻想的な映像はかなり秀逸で、生きているかのような光線の美しさには目が奪われたモノの、じゃあそれが怖さの演出と比例しているかというと、ワタクシ的に正直微妙だな、と思います。

「実は霧の正体は(本作の舞台である)アントニオ・ベイに恨みを持つ亡霊たち」という設定も、怪奇モノの定番な設定な感じはするものの、「別にやらかした人たちの子孫に復讐しても何にもならんのでは?」という見え方もしてしまうのでちょっと残念でした。当事者なら、横溝正史の『八つ墓村』的な「よくよく考えてみたら、俺たち何も関係ないやん!」っていう話だろうし。

ということで、ジョン・カーペンター監督の秀逸ホラー映画、スリラーな作品群の中ではチョイと盛り上がりに欠ける映画だったものの、前述の通り映像は秀逸でした。その点はかなり観る価値のある映画だったんじゃないかなと思います。