おすぎむら昆の「あんなま」

直近で鑑賞した映画をひたすらレビューしていきます。

『黄龍の村 (2021)』【75/100点: チープな『ミッドサマー』と思いきや】

『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで最近ブイブイ言わしてる阪元祐吾監督の出世作だそうで、この間Netflixで配信開始されていて話題になっていた一作なのですが…何だこの映画。そんな一言が思わず漏れてしまうぶっ飛んだ映画でした。

【ネタバレなし】

お話

レンタカーでキャンプ場へ向かう優希ら8人の若者たち。その途中、山の中で車がパンクしてしまい、携帯電話の電波も繋がらず、助けを求めて歩き始める。トンネルを抜けてたどり着いたのは、包丁が頭に刺さった案山子がある奇妙な村・龍切村だった。

馬に乗って現れた老人は車を直してくれると話し、優希たちを自宅へ招く。老人の家では3人の女性が律儀に出迎えてくれ、夕食や布団まで用意されていた。老人の半ば強引な誘いでその夜は泊まることになるが、翌朝、外の音で目を覚ました優希は、不思議なお面を被った村人たちが外を練り歩く姿を目撃する。(映画.comより)

ツカミはバッチリ

序盤はリア充グループがワイワイと旅に出る様子が描かれ、往年の名作(?)『死霊のはらわた』を思い起こさせるような能天気っぷりで掴みバッチリとなっております。それで「タイヤがパンクした」というこれまたホラーあるあるの展開が始まり、能天気な若者たちはあっという間に変な村に留まることになります。

予想外の後半戦

こんな感じでホラーのセオリーを守りながらジェットコースターのような展開の速さで楽しませてくれるのですが、若者サマたちが半分くらい死んだタイミングで観てるこっちは「あれ…?」と感じてしまうワケです。「殺り過ぎてる気がするけど、これどうやって風呂敷畳むんだ?」と。

この映画、こう思った瞬間からギアを変えてくるんですね。言うなれば別の映画ジャンルをブッ込んでくるワケなので、コレは意表を突かれましたね。こちらが目が点になっているままラストまで突っ走ってくれるので、このライド感は実際に観ないと味わえない内容になっていると思います。

そりゃこの監督、売れる

そんなワケで「そりゃアンタ、売れるわ」と思った今ノリに乗ってる阪元監督の出世作でございますが、素直に楽しませてもらいました。良ければ本作の続編作ってほしいな、なんて思った日本版『フロム・ダスク・ティル・ドーン』的な良作でした。